大学生の力を活用した集落復興支援事業(福島県)
地域活性化 の ヒント は 大学生の アイデア!?
福島県企画調整部地域振興課が、大学生の力を活用した 集落復興支援事業 に応募する集落を募集しているようです。
募集しているといっても、期限は今月末(2017年5月31日)迄で、7集落程度なので、すでに募集枠を超えている可能性もあります。
この企画の目的
詳しいお問合せや、申し込みについては、福島県企画調整部地域振興課(TEL: 024-521-7114)へ。
集落復興事業 の 実施内容 や 過去の取り組み 状況について
実施内容は次の通り。
1、大学生による集落実態調査
2、活動報告会への参加
3、翌年度に実証実験を実施 ※集落と大学双方の合意があった場合
おそらく、申し込みをした地域に大学生がやってきて、実態調査という名目で、その地域の名産や伝統文化について触れ、その地域のウリとなる良さを探し、それを報告してくれるって感じの事業なんだと思います。
この事業は過去にも実施されており、郡山市内でも参加している地域があったようなので紹介します。
1.平成22年度 ※震災により実証実験未実施
受入集落: 湖南町横沢集落
受入団体: 横沢集落区
参加大学: 東北大学仙台耕作放棄研究会
実施内容: 「食」を通じた地域振興。「湖南野菜作りの会」発足。
2.平成26年〜27年度
受入集落: 中田町柳橋集落
受入団体: 柳橋町内会
参加大学: 作新学院大学まちづくり研究会
実施内容: 地域の魅力を生かしたまちづくり。「子供塾」「特産品開発」(地元野菜を用いたお菓子)「鞍掛山ハイキング」実施。
平成29年度募集について
応募資格 :過疎・中山間地域にある集落(7集落程度)
応募締切 :平成29年5月31日
問い合わせ先:福島県企画調整部地域振興課 (TEL:024-521-7144)
この事業の 問題点
集落が抱える問題を解決しようと、前向きに、新しいことに取り組む企画は素晴らしいと思います。さらに、大学生という、若い人のアイディアを取り入れようという発想も面白くていいですよね。
地元の良さを、外からきた若者に見つけてもらうことで、客観的な視点からの”地元の良さ”を見つめ直すいい機会になると思います。
詳細は手元にあるチラシからはわかりませんでしたが、おそらく、この活動を行う際に、東北電力まちづくり元気塾から派遣される「まちづくりパートナー」が考え方のヒントや、他エリアの事例などを紹介するなどして、この企画の運営をサポートしてくれるのだと思いますので、ある意味、大学生と受入団体の双方ともに安心して取り組めるようになっているはずです。
ただ、残念なのがは、こういった企画に、ビジネスの専門家やマーケティングに詳しい人が入っていないケースが多いという点です。
というのも、これらの企画の落とし所ってだいたい決まっていて、ほとんどが「地域資源を活用しての地域活性化をめざす」というものだと思いますが、「商品を開発する」という部分にばかり目がいくのですが、「その商品をどうやって売るのか?」というところにはノータッチだったり、ざっくりすぎて、非現実的なものだったりします。
「PRの仕方や売り方」の戦略がなければ「やってみたけど、なんかイマイチだったな・・・」なんてオチになってはせっかくのアイディアがもったいないです。
ですから、地元企業だろうが、他所から派遣される方でも構わないので、売る視点をもった専門家も、こういった企画に加えることが望ましいです。
この事業 で、最初に 決めるべき 重要なこと
それから、それよりも重要なことがあります。
それは何か?というと、ゴールを明確に描くことです。
”地域の復興”を目的とした企画なのに、「では何を持って復興したと言えるのか?」という部分が非常に不明確なまま、このプロジェクトが進行してしまっては、地域振興に繋がるのは極めて難しいです。
例えば、「地域資源を活用しての地域活性化」の地域活性化のゴールってなんだと思いますか?
・その地域に外からの人が観光にやってくることですか?
・それとも、地域に住む人が増えることですか?
・地域の商品を外の人に買ってもらうことですか?
・それとも、地域の人に買ってもらうことですか?
こういうことが非常に不明確にしたままで作り上げた「活性化案」は、得てしてありきたりなものになりがちで、さらに大きな成果に結びつきにくいです。
逆に、その点が明確になっていれば、地域の人全体が共通意識を持つことができ、その行動力や企画を成功させるための意識が向くようになるので、爆発的な成果を生み出すこともあります。
やっぱり、最初にゴールを明確にするってことは大事ですね。
こういう企画、個人的には大好きなので応援しています。