メディアリテラシーを体験できる仕掛け絵本「窓を広げて考えよう」下村健一・著
メディアリテラシー体験 ができる、良さそうな仕掛け絵本を見つけました。それは、 下村健一 さんの「 窓を広げて考えよう 」という本です。 この本は、小学校5年生くらいから中学生くらいの子供に教えたり体験させるのにちょうど良さそうな感じです。
この本の面白い特徴は、各ページに小さな窓がある”仕掛け絵本”になっている点です。
その窓を開けたり閉じたり(ページをめくったり戻したりすること)することで、”メディアリテラシーを体験して学ぶこと”ができる、という仕掛けになっています。
しかも、その内容が実話を元にされているとのことなので、大人の人ならイメージしやすくていいですね。
一応、小学校5年生くらいから中学生くらいを対象としているとのことですが、メディアリテラシーを学ぶと言う意味では、小学生高学年〜大人が対象の本と言えると思います。
メディアリテラシー とは??
「メディアリテラシーってときどき耳にするけど、どういう意味?」という方もいると思いますので、簡単に紹介します。
メディアリテラシーとは、インターネットやテレビ、新聞などのメディアを使いこなし、メディアの伝える情報を理解する能力。
また、メディアからの情報を見きわめる能力のこと。
テレビ番組や新聞記事などメディアからのメッセージを主体的・批判的に読み解く能力。リテラシーというのは「読み書き能力」のことで、読む力と同時に書く力も含む。
情報をうのみにせず、どんな意図で作られ、送りだされているかを自分の頭で判断する。そしてそれを通じて自ら情報発信する力を身につける。by コトバンク
私なりの解釈でいうなら、「(メディアなどからの)情報を鵜呑みにせずに、見極めて、自分で判断・整理する能力」がメディアリテラシーです。
前回紹介した(「フェイクニュースに騙されないために」)ような不確定な情報を鵜呑みにして、嘘情報を拡散する側にならないようにするため、そして、フェイクニュースを自ら生み出してしまわないようにするためには、メディアリテラシーを身につけることが大事と言われています。
そのメディアリテラシーを学ぶのに役立ちそうだな〜と思ったのが、これから紹介する「窓を広げて考えよう」という本です。
「 窓を広げて考えよう 」/ メディアリテラシー体験 ができる
仕掛け絵本
情報が溢れかえっている状況の中、最近では「フェイクニュース」というような新しい言葉もどんどん生まれていることにより、情報を見極める力がますます重要になってきています。
とくに、これからそういう世界で生きていかなければならない子供達が、たまたま目にした情報に踊らされ、偏った思考を植えつけられたり、人生を棒に振るわないためには、視野を広げて、情報を受け止めて考えることが大切です。
しかし、それを口で言うだけではイマイチ伝わりませんし、印象にも残らないので、その”視野の広げ方”を、「この窓を広げて考えよう」という”本の仕掛けで体験する”ことができます。
本の中身を著者・ 下村健一 さんが解説!
著者である下村さんが「窓をひろげて考えよう」の内容について紹介してくれていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
立場が変われば 見方も変わる
※クリックすると再生します。再生時間は約4分です。
■出典:Youtube
<ざっくり内容>
真実は一つだから、どちらかが嘘をついている・・・とよく言われるが、そんなことはない。
どこをみるかによって違って見えることもある。つまり、立場の数だけ見え方はあるということ。
手を上にあげて、人差し指を時計回りに回す。そのまま上でを下げていくと・・・反時計回りに人差し指が回っている。これは、下から見たときは時計回りでも、上から見ると反時計回りになるということで、視点がかわるだけで、全くちがうものが見えるという例。
情報を見た順番 で 印象は変わる
※クリックすると再生します。再生時間は約3分です。
■出典:Youtube
<ざっくり内容>
おんなじ情報でも、どの順番できくかによって、印象がガラッと変わる。
どっちの主張を先に伝えるか?で印象がずいぶん変わってしまう。第1印象が勝つこともあるし後出しジャンケンが勝つこともある。
それはその内容によるけど、自分が触れているたくさんの情報は、じつは、たまたま順序で支配された第1印象かもしれないし、もしかしたら他に第2印象、第3印象があるかもしれない。って考えることが必要。
スポットの中だけ見るな
※クリックすると再生します。再生時間は約5分です。
■出典:Youtube
<ざっくり内容>
スポットライトが当たっている部分だけで、パッと想像するという習性がある。でも本当は違う形をしているかもしれない。たまたまその人が、どちらかの情報を伝えたら四角形になるし、反対の情報をつたえたら円形になるなんてこともある。
テレビが嘘を伝えているのではなく、病気のニュースだから、マスクをしている人を選んで写しているだけ。悪意があるわけではないし、視聴者をパニックに陥れようとしているわけでもない。あくまでも病気のニュースだから、そういう人を写しているだけ。
仕掛け本の窓をなんどもめくったり戻したりすることで、「そうか、自分がみているスマホの画面は、この絵本の小さな穴なんだ」ということに気がついて欲しい。
でも普段は子供達はそれに気づいていない。これが全部、これが世界だと思ってしまうから、それを理屈でいってもわからないので、仕掛け絵本のアクションで経験してほしいなと。
メディアリテラシーといっても難しくて、メディアを疑えといわれると、メディア人としては一生懸命伝えようとしているだけ。
ただ、情報って森羅万象全部伝えることはもともとできわけがなくて、どうしたって、選んでいて、切り取っているものになる。
だったら、それは嘘つきではなくて、我々受け止める側が、それを全てだとは思わないで、メディアが冷凍パックで送ったものを、受け取った側が解凍して欲しい。その解凍の仕方を作った、解答(解凍)集がこの本。
情報をしっかり受け止めるために
※クリックすると再生します。再生時間は約9分です。
■出典:Youtube
<ざっくり内容>
情報をしっかり受け取るための4つの疑問
1、結論をソク断するな(鵜呑みにするな)
そうなの!と見た瞬間にすぐすぐにリツイートするな。一旦止めようというのが、即断するな。
2、止めたところで、意見・印象を、ウ呑みにするな
情報のほとんどは、事実の描写と意見・印象など発信する人が思っていることがごっちゃになっている。なので、それをそのまま鵜呑みにしないで、ちゃんと仕分けしましょうねということ。
絵本ではつぎの3番と4番をとくに取り上げている。
3、一つの見方にカタよるな
こうなんじゃないの?と決めつけないで、いろんな角度からみてみる。情報の順番や立場を変えて考えて見る
4、スポットライトのナカだけを見るな
それが全部だと思うなよ。もっと外まで見ようよと。
これを覚えるときに、カタカナの部分をとって、「ソウカナ」と覚える。初耳の情報に出会ったときには、すぐさまそれに縛られずに、振り回されないで、ソウカナをチェックする。即断、鵜呑み、偏り、中だけ・・これはダメよと。ちゃんと窓を広げて考えようよと。ということ。
「かもしれない」をたくさん持つこと。「かもしれない」は、あいまいではなく、豊かな受け止め方と認識し、たくさんの可能性と考える。
初耳の情報を鵜呑みにするとか、誰が言っているから・・・ではなくて、自分で、個々の情報判断をする。これをこの世代(小学校〜中学生)が身につけてくれれば、ちょっと日本が変わるのではないかと思う。
インターネットを「思い込みを固める道具につかうな、壊す道具として使え」と言っている。
ツイッターで面白い情報を見つけたら、そのままリツイートしないで、「ホントかな?」と一言添えてリツイートしよう。
「 窓を広げて考えよう 」の 購入 はこちら
通販大手のアマゾンでは、なぜか書籍の画像が準備されていませんが、実際はこのような表紙ですので、ご安心ください。
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タイトル
著者
下村健一
内容紹介
メディアを正しく受け止める方法とは?ページがくり抜かれた8つの例題で、メディアのつたえる情報と実際の情報を比べてみよう!
内容
穴のあいたページをめくったら、びっくり!同じ絵でも、部分と全体では、印象が変わる!コツを体験して「メディアリテラシー」を身につけよう!情報に振り回されない8つの「コツ」。
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ito
2017年8月9日 @ 11:32 AM
「母校に本を贈る」という、クラウドファンディングを行なっているようですが、ググって見ましたが、該当するページが見つかりませんでした。面白いし、私もやろうと思ったのですけど・・・。まだ準備段階なのかな?