郡山うねめまつりとは?:郡山市最大の夏祭り
郡山市最大のお祭りといえば”うねめまつり”ですが、 うねめまつりとは どんな意味のあるお祭りなのか?をご存知ですか?
今回は知っているようで意外と知らない、郡山市のうねめまつりについて紹介します。
郡山うねめまつりとは?
基本的にお祭りというものは豊作祈願などの願掛けや、地域の伝説・伝記を継承するものがほとんどで、うねめまつりも「采女物語(山ノ井伝説)」を主題としたお祭りです。
昭和40年に安積郡9ヵ町村が郡山と合併し、市民が一体となれるまつりを起こしたいという気運が高まった時に、郷土の伝説である采女物語を主題とした采女祭りが作られたそうです。
采女物語の主役である”春姫”をみたてた「ミスうねめ」を主役に祭りを盛りあげます。
ちなみに、うねめ祭り終了後は、「ミス郡山」として郡山市や郡山商工会議所等の公式行事や観光キャンペーンに参加して、郡山のPR活動をするそうです。
采女物語 ( 山ノ井伝説 )とは? / うねめまつりとは ?
では、うねめまつりの主題となった采女物語とは、どんな物語(伝説)なのでしょうか?
検索した結果、実は微妙に言い回しがちがかったり、情報(言葉)が足りてないものしかなかったので、私なりに統合(整理?)しましたのでご紹介します。
【采女物語(山ノ井伝説)】
今から千二百年ほど前のこと、陸奥の国安積の里(現・郡山市)は朝廷への貢ぎができないほどの冷害が続いていた。このため奈良の都から、葛城王(かづらきのおおきみ。後の左大臣橘諸兄<たちばなのもろえ>)が巡察の為に安積の里に訪れた。
里人たちは王に窮状を訴えるとともに、年貢を免除してくれるように頼んだが聞き入れてもらえず、困り果てていた。
里人が窮状を訴えた日に宴が催されたが、王の機嫌がよくなく十分にもてなすことができなかった。その時、出席していた里長の娘・春姫が王の目にとまり接待を命じられることとなった。春姫は言われるままにふるまい、盃を捧げながら王の膝を軽くぽんとたたき次の歌を王に献上した。
安積山影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を吾思はなくに (万葉集 巻十六)
(訳)どうして機嫌が悪いのですか?安積山のふもとに山ノ井の清水があります。山の影を水面に映し、浅い井戸のように思われますが、とても深い清水です。それと同じで私たちが王を思う気持ちは、とても深いものです。どうか機嫌を直してください。
すると、王はたいそうよろこび、歌の美しさや意味の深さ、すばやく詠んだ春姫の才能を褒め称え、春姫を宮廷の采女(うねめ-女官)として参内(さんだい)することを条件に、貢物を3年の間免除してくれることとなった。
春姫には笛の名手・小糠治郎という相思相愛の許婚(いいなずけ)がいた。二人は、ひとときも離れていたくないほどに愛し合っていた。治郎は野良仕事へ行く時はいつも春姫の絵姿を持って出かけるほどだったという。
しかし、安積の里の窮状を救うために、悲しみをこらえて別れた。春姫が都に上がり、愛しい許婚を失った治郎は嘆き悲しみ、夜毎、春姫への変わらぬ心を笛に託していつまでも吹きつづけた。里人の窮状を救う為と、悲しみをこらえる毎日であったが、ついにこらえきれなくなり、治郎は永久の愛を誓いながら山の井の清水に身を投げた。
そのころ春姫は帝の寵愛を受け、大変華やかに暮らしていたが、片時も治郎のことを忘れることができなかった。そうしているうちに中秋の名月の宴が開かれ、春姫はこの時とばかり賑わいに紛れ猿沢の湖畔に駆け込んだ。そして湖畔の柳に十二単を掛けて入水を装い、治郎の住む安積の里へとひた走った。
帝は春姫が亡くなったと思い込んで深く嘆き、春姫を供養する祠(ほこら)をつくり次の歌を詠んで捧げた。
吾妹子(わがもこ)が寝くたれ髪を猿沢の池の玉藻にみるぞ悲しき (万葉集)
(訳)恋しかりし人よ、あなたが朝起きたときに乱した髪も今となっては恋心となって蘇ってくる。わたしは、猿沢の池に浮かぶ藻が、あなたのその髪のように見えて嘆き悲しんでいるのだよ。
一方春姫は走りつづけ、やっとのことで故郷に着いたが、待っていたのは治郎のせつない死であった。体も心も疲れ果ててしまった春姫は、悲しみに追い討ちされ病の床に伏した。そして、雪の降る寒い夜のこと、治郎のもとへ行くことを願った春姫は、治郎と同じ山の井の清水に身を投じた。
やがて雪がとけ、安積の里にいよいよ春が来たと思われたころ、山の井の清水のまわり一面に、名も知れぬ薄紫の美しい、可憐な花が咲き乱れた。
この花について、だれ言うともなく「二人の永久の愛が土の下で結ばれて咲いたのだ」という話が広がり、それ以来、里の人たちはこの花を「安積の花かつみ(学名:ヒメシャガ)」と呼んだそうな。
参考記事:俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡
郡山うねめまつり公式サイト
奈良市 にも残されていた 采女物語
じつは郡山の采女物語とほぼ同じ物語が、奈良市にも残されています。しかも、奈良市でも采女物語をもとにした、采女際(別名:花扇祭)を行なっているんです。
ただ、ちょっと違う点もあります。
たとえば奈良市ver采女物語は、「帝は浮気者で、春姫は帝からの寵愛は少しづつ薄れ、春姫は忘れられてしまう」とされています。その結果春姫は、「(治郎への?)どうしようもない恋しさと、(帝にぞんざいに扱われたor浮気され、忘れらてしまった)くやしさを味わった結果、猿沢の湖畔に駆け込んで、身を投げた」と、されています。
郡山verを知っている人からすれば、「春姫は帝の寵愛を受け、大変華やかに暮らしていた」とされていますので、この部分に関しては物語を書き留めた人の想像か、春姫にもプライドがあって地元の人には嘘をついたという可能性も考えられますね。
また、奈良市verでの「猿沢の湖畔に駆け込んで、身を投げた」という部分は、郡山市verの「湖畔の柳に十二単を掛けて入水を装い、治郎の住む安積の里へとひた走った。」という、自殺と見せかけて逃走するという”春姫の作戦”が成功したということとも受け取れます。
なので、奈良市verがそういう終わり方をしていることに納得もできます。
そう考えると、奈良市verの采女物語も郡山市verの采女物語も、同じ人物に対するストーリーであるということが想像できますので、これはもう「言い伝え」ではなく「事実」レベルの伝説ですね。
ちなみに、この采女物語が縁で、福島県郡山市と奈良県奈良市は昭和46年に姉妹都市を締結し、毎年8月には奈良市から親善使節団が郡山市を訪れ、また仲秋の名月には郡山市から親善使節団が奈良市を訪問し、両市の交流を深めているとのことです。
一市民からすれば、ほとんど関係のない話ですけどね〜(苦笑)個人的には、奈良県に大和郡山市があるのに、そっちとは何か関係ないのかな〜とちょっと興味を持ちますけど。
「 ミスうねめ 」ではなく「 ミス春姫 」の方が スッキリ!?
「采女」とは名前ではなく女官の総称
ちなみにですけど、うねめまつりの「うねめ(=采女)」というのは、個人の名前ではありません。天皇や皇后に近侍し、食事など、身の回りの雑事を専門に行う女官のことをさす言葉です。
ウィキペディアによると、一種の人質だったり、妾と同一視されていたようです。
ですから、”采女”というのはいわゆる役職というか、職名をさすものなので、「ミスうねめ」を郡山市が毎年たてているのは、ちょっと違うのかな〜と思うのですが、あなたはどう考えますか?
本来なら、「ミス春姫」となるべきところですからね。
ついでを言うと、采女物語を主題に置いているのなら、もう一人の主役である「治郎」をお祭りに登場させてもいいでしょうし、悪役として(?)帝を立てるというのも、ちょっとマンネリ化しているうねめまつりへの”新たな刺激”になるかもしれないので、導入するのも面白いのでは?と個人的には思います。
帝役なんて、その時の市長がやったらいろんな意味で面白そうなので、実行委員会の方、ぜひ、検討してほしいです!
新うねめ音頭 の 踊り方
郡山うねめまつりといえば、”踊り流し”のイメージが強いですが、踊りたくても、振り付けとか踊り方がわからなくて参加できない・・・と言う方もいるかもしれません。
ですがご安心ください。うねめまつり実行委員会(商工会議所)はちゃんと踊り方の動画を用意してくれています。
うねめまつり の 日程 と 内容 は?
※画像は郡山うねめまつり公式サイトより
うねめまつりは、毎年8月の第一木曜日〜土曜日の3日間に開催されます。
それぞれ開催される内容が若干異なりますので、内容をご確認のうえ、ご参加ください。
尚、下記については、第59回の内容ですが、例年だいたい同じ内容です。ただ、毎年進化していくでしょうから、若干内容が異なることも予想されます。
詳細は、うねめまつり公式サイトなどからご確認ください。(下部にリンクあり)
郡山うねめまつりイベントスケジュール
木曜日
【場所:イトーヨーカドー郡山店 平面駐車場】
【イベント】
・ちびっこうねめまつり
金曜日
【場所:駅前大通り】
【イベント】
・帝京安積高校和太鼓部
・あけぼの幼稚園
・郡山高校チアダンス部
・郡山商業高校知アリーティング部
・ミスうねめパレード
・ミスうねめ交代式
・開会セレモニー
・うねめ踊り流し1日目
【場所:郡山駅西口広場】
【イベント】
・mic-alone
・福島中央テレビ郡山少年少女合唱団
・ヨークカルチャーチアダンス
・ゆかたdeうねめコンテスト
・ゆかたdeうねめコンテスト 審査発表・表彰式
【土曜日】
【場所:駅前大通り】
【イベント】
・KONアクロバット・体操教室
・あさか開成高校よさこい部
・郡山鷲土建設業組合梯子演舞
・郡山女子大学付属高校マーチングバンド部
・ミスうねめパレード
・開会セレモニー
・うねめ踊り流し 2日目
【場所:郡山駅西口広場】
【イベント】
・eスポーツイベント
・コスプレイベント
・楽天イーグルスアカデミーチアダンス
・泉田泰子きもの学院 装動舞・着物ドレスパフォーマンス
・ゆかたdeうねめコンテスト
・チアダンスアカデミーTiara
・ゆかたdeうねめコンテスト 審査発表・表彰式
注意点としては、ちびっこうねめまつりは、郡山駅前ではなく、イトーヨーカドー平面駐車場で開催されるということです。お子さんづれで参加される方は、場所を間違えないでくださいね。
それから、駐車場には限りがありますので、バスなどの交通手段も検討されることをオススメします。
郡山 うねめまつり に伴う 交通規制
郡山うねめまつり開催に伴い、次の通りでは交通規制が入りますので、車等を利用される方はご注意ください。
思わぬ渋滞に巻き込まれることもありますので、付近の道を避けて移動することをオススメします。
【うねめまつり開催期間中の交通規制】
13:00〜22:00 大町通り
15:30〜20:30 駅前アーケード、駅前大通り、貨物通り
10:00〜22:00 なかまち夢通り
※うねめまつり交通規制マップは →こちら
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